はじめに
「ChatGPTって便利らしいけど、自分には難しそう」
「AIって専門知識がないと使いこなせないんじゃないか」
そんなふうに思ったことはありませんか?
実は、ChatGPTは特別なスキルがなくても、誰でも簡単に使い始められるツールです。
自治体の業務は本当に幅広いですよね。
文章作成、市民対応、資料整理など、日々の業務の中で「もっと時間が欲しい」と感じることも多いはずです。
ChatGPTを活用することで、こうした業務を効率化し、職員の負担を大幅に軽減することができます。
この記事では、ChatGPTの基本的な特徴や得意分野、活用例、注意点までをわかりやすく解説します。
まずはChatGPTがどのようなものなのか、ざっと把握してみましょう。
その可能性は非常に広がっており、自治体業務における活用の幅も無限大です。
個別の詳しい内容については、次回以降の記事でさらに掘り下げてご紹介していきます。
自治体職員の皆さまが「これなら試してみたい」と思える一助となれば幸いです。

ChatGPTとは?自治体職員が知っておきたいAIツールの基礎知識
ChatGPTは、OpenAIが開発した対話型のAIツールです。
文章を作成したり、質問に答えたり、新しいアイデアを提案したりと、さまざまな作業をこなします。
入力するだけで自然な文章を生成してくれるので、専門的なスキルは不要です。
まさに、忙しい自治体職員の皆さまにぴったりのツールといえるでしょう。
ChatGPTの基本的な特徴
1. 文章作成のプロフェッショナル
ChatGPTは、案内文や報告書、メールなどの文章を素早く作成するのが得意です。
例1: イベント案内文
質問: 「防災訓練の案内文を作成してください」
回答:
「〇〇市では、以下の通り防災訓練を実施します。ぜひご参加ください!
日時: 〇月〇日 午前10時~正午
場所: 〇〇公園
内容: 避難経路の確認、消火器の使い方、応急処置の体験
詳しくは〇〇課(電話番号〇〇〇-〇〇〇〇)までお問い合わせください。」
例2: 報告書の下書き
質問: 「市民会議の報告書を作成してください」
回答:
「【市民会議報告書】
開催日時: 〇月〇日 午後6時~午後8時
場所: 〇〇公民館
議題: 新しい公園整備計画
参加者数: 約50名
主な意見: 防犯カメラ設置の要望、遊具の安全性向上の提案」
2. 長文を簡潔に要約
忙しい業務の中で、長い報告書や議事録を読む時間を短縮できたら便利ですよね。
ChatGPTは、そんな時に役立つツールです。
例: 議事録の要約
質問: 「以下の議事録を内容がわかる形で要約してください。」
原文:
「〇月〇日に開催された定例会議では、主に新しい公園整備計画について議論が行われました。まず、公園利用者の利便性向上を目的としてトイレの増設が提案されました。特に、子ども連れの家族や高齢者が安心して利用できるよう、現在のトイレ数を倍増させるべきだという意見が多く出されました。加えて、バリアフリー対応のトイレも必要であるとの声が上がり、設置場所についても検討が求められました。一方で、維持管理コストが増加することへの懸念もあり、定期的な清掃と管理計画が重要だとされました。次に、防犯カメラの設置が議題となり、これについては防犯効果を期待する声が大多数を占めましたが、一部の参加者からはプライバシー保護に対する懸念が示されました。この問題に対しては、カメラの設置場所を限定し、視覚的に圧迫感のないデザインを採用することが提案されました。また、植栽デザインについても活発な意見交換が行われました。具体的には、公園全体の美観を高めるために、季節ごとに異なる花を植えるべきだという意見や、既存の樹木を活かしつつ新しい植栽を加える案が出されました。さらに、管理の簡易化を図るために、低メンテナンスな植物を選ぶべきとの提案もありました。最終的には、これらの意見を踏まえた具体的な整備計画案を次回の会議で提示し、その際には予算案も含めて詳細を検討することが決定されました。」
要約:
定例会議では、新しい公園整備計画について以下の点が議論されました。
- トイレの増設:利用者層に配慮し、バリアフリー対応を含む設置が提案される一方、維持管理コストの問題も指摘されました。
- 防犯カメラの設置:防犯効果を期待する声が多い中、プライバシー保護の観点で慎重な設置が求められました。
- 植栽デザイン:美観と管理効率の両立を目指し、低メンテナンス植物の採用や季節ごとの植え替え案が提案されました。
これらを踏まえた具体的な整備計画案と予算案は次回会議で検討されます。」
3. 新しいアイデアを提供
ChatGPTは、職員では思いつかないような新しいアイデアも提案してくれます。
例1: 市民参加型イベントの提案
質問: 「市民が参加しやすいイベントのアイデアを提案してください。」
回答:
地元の歴史散策ツアー
防災の日に行う避難所体験ツアー
公園でのアウトドア映画上映会
例2: 高齢者向けの地域活動案
質問: 「高齢者が楽しめる活動を提案してください。」
回答:
趣味を共有する交流サロン
健康体操教室と茶話会
デジタル機器の使い方講座
プロンプトは詳細に
Chat GPTにより精度の高い回答を得るためには、プロンプト(指示)を詳細にすることが重要となってきます。
プロンプトの書き方については、Open AI社が公式に出しているフォーマットを参照して、自分なりに工夫してみましょう。

ChatGPTを使う際の注意点
チャットのやりとりが学習に使われないように設定を見直しましょう!
(自治体職員にとっては必ず確認すべき大切な項目です)
「ChatGPT」という会話形式の人工知能は、調べものや文章づくりなどに活用できる便利な道具です。
ですが、自治体職員としてこのツールを利用する際には、必ず確認しておくべき重要な設定項目があります。
それは、入力した会話の内容が、人工知能の学習材料として使われる仕組みが、最初から有効になっているという点です。
たとえば、まだ外に出していない業務内容や、住民の方に関する大切な情報を入力してしまった場合、その一部が人工知能の仕組みに取り込まれ、将来的に別の人への回答に活用されてしまうおそれがあります。
このようなリスクを避けるために、以下のとおり設定を見直しておくことが大切です。
設定の変更方法(令和6年4月現在)
- 画面右上の「自分のアイコン(または名前)」をクリック
- 「設定」を開く
- 「データコントロール」を選ぶ
- 「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにする
この設定を変更することで、ChatGPTとのやりとりが人工知能の学習に使われることを防ぐことができます。
特に自治体職員の皆さんは、日々、住民の個人情報や内部資料に触れる機会が多くあります。
誤って情報を学習させてしまうことがないよう、事前の対策が必要不可欠です。
Chat GPTを使い始める前に、まずこの設定をしておきましょう!
この設定をしておくことで情報が外に漏れませんので、安心して使えます。
便利なChatGPTですが、使う上で注意すべきポイントもあります。
ChatGPTは、法律や税務などの専門分野で誤った回答をする場合があります。
必ず専門家や公式資料で最終確認を行いましょう。
【なぜChatGPTは専門分野で誤った回答をするのか?】
- 情報が古い場合がある
ChatGPTの学習データは特定の時点までの情報に基づいているため、最新の法改正や税制変更に対応できない場合があります。 - 専門性に限界がある
ChatGPTは汎用的なAIであり、法律や税務のような高度な専門知識を必要とする分野では、不正確な回答をすることがあります。 - 状況や文脈を十分に考慮できない
法律や税務は具体的な状況や細かな条件によって解釈が変わりますが、ChatGPTはその背景を十分に把握できないことがあります。 - あいまいな質問に弱い
質問が不明確な場合、一般的な回答を生成しますが、これが誤解を招くことがあります。
ChatGPTは、学習データが固定されているため、最新の情報には対応していない場合があります。
最新の制度やイベント情報は、公式サイトで確認することをおすすめします。
ChatGPTを使い始める3つのステップ
無料版のChatGPTを試してみましょう。
質問や指示を入力するだけで、すぐにその利便性を体感できます。
最初は負担の少ない業務から始めましょう。
案内文の作成や簡単な議事録の要約などがおすすめです。
ChatGPTの活用事例を職場で共有し、他の職員と使い方を学び合いましょう。
研修やワークショップを行うのも効果的です。
ChatGPTを使うことで得られるメリット
- 業務の効率化
日常業務の一部をChatGPTに任せることで、職員が他の重要な業務に集中できます。 - 市民サービスの向上
素早く正確な案内文やFAQを提供し、市民対応がスムーズになります。 - スキルアップのきっかけ
ChatGPTを活用することで、職員がAIツールの使い方を学び、新しいスキルを習得する機会が広がります。
まずは一歩を踏み出してみよう!
ChatGPTは、自治体職員が日々の業務を効率化し、市民サービスを向上させるための強力なツールです。
難しそうと感じるかもしれませんが、最初の一歩を踏み出せば、きっとその便利さを実感できるはずです。
未来の働き方に向けて、一緒に始めてみませんか?
