プロンプトとは? : フォーマットを理解して活用しよう!
プロンプトとは、AIモデルに対して指示や質問を投げかけるための入力文です。
特にChatGPTのようなAIツールでは、ユーザーがどのような情報を求めているか、どのような形で応答してほしいかを伝える重要な役割を果たします。
プロンプトを工夫することで、AIから得られる回答の精度や有用性が大幅に向上します。
この記事で紹介するプロンプトフォーマットは、OpenAI社が提供しているもので、AIツールを使いこなすための実践的なガイドラインです。
特に、ChatGPTを使い始めたばかりの時は、これらのポイントを理解しているかどうかが大きな違いとなります。
Open AI社が提供しているプロンプトフォーマット
- クリエに詳細を含めて、より適切な回答を得る。
- ペルソナを採用するように依頼する。
- 区切り文字を使用して、入力の異なる部分を明確に示す。
- タスクを完了するために必要な手順を指定する。
- 例を提供する。
- 出力の望ましい長さを指定する。
それでは、各ポイントを順番に見ていきましょう。
1. クリエに詳細を含めて、より適切な回答を得る。
「クリエ」とは、会話の中で細かい情報を盛り込むことです。
詳細な情報を提供することで、ChatGPTがより明確なイメージをつかむことができ、回答の精度が高まるからです。
「健康的な食事の提案をして」とリクエストするよりも、「朝食に簡単に作れる、栄養バランスの取れた食事を教えて」とすると、より役立つ提案が得られます。
「旅行についてアドバイスが欲しい」と伝えるよりも、「ヨーロッパで予算2万円以内で行ける都市を教えて」と具体的にすると、目的に合った情報が得られやすくなります。
「お花の絵を描いて」と言うより、「赤いバラの絵を描いて」と具体的に指定したほうが、意図を正確に理解しやすくなります。
2. ペルソナを採用するように依頼する。
「ペルソナ」とは、特定の役割やキャラクターになりきることです。
特定の役割に応じた回答がほしい場合、ペルソナを設定することで、より適切でコンテクストに合った回答が得られます。
歴史について詳しく知りたい場合、「歴史学者の視点で教えて」と頼むと、より専門的な情報を受け取ることができます。
動物について楽しく学びたい場合、「動物園の飼育員として、ペンギンについて教えて」と頼むことで、飼育員ならではのユニークな視点で教えてくれます。
「科学者のように話して」や「ファンタジーの魔法使いのように説明して」と頼むことで、そのキャラクターらしい視点で応答してくれます。
3. 区切り文字を使用して、入力の異なる部分を明確に示す。
「区切り文字」とは、異なる項目や内容をはっきりと分けるために使う記号です。
スラッシュ(/)、シャープ(#)、またはコロン(::)などを使って、プロンプトを分けると、どこが異なる部分かを示すことができます。
情報が整理され、ChatGPTが指示をわかりやすく理解できるようになります。
「目的:夕食のレシピ/条件:15分以内で作れるもの/好み:スパイシーな味」
といったように、スラッシュで各条件を区切ると、意図が伝わりやすくなります。
「# テーマ:リーダーシップ # 形式:箇条書き # 長さ:短め」
とシャープを使って分けると、望むスタイルで情報を得ることが可能です。
4. タスクを完了するために必要な手順を指定する。
手順とは、やるべきことを順番に指示することです。
プロセスを具体的に説明することで、ChatGPTはその順序に従った応答を返してくれます。
タスクが分かりやすくなり、意図した通りの回答を得ることができます。
「新しいウェブサイトを作成する手順」として、「まずドメインを決める→次にホスティングサービスを選ぶ→テーマを選んでインストールする」と具体的に手順を挙げることで、各ステップに沿った情報を得られます。
「ビジネスプランの書き方」として、「1. 市場調査を行う→2. ターゲット市場を決定する→3. 収益モデルを考える」といった手順で指定すると、構成に沿ったアドバイスが得られます。
5. 例を提供する:具体的なイメージを伝える
例を示すことで、ChatGPTに期待する回答のイメージを伝えることができます。
プロンプトの中にお手本を入れることで、意図がより正確に伝わりやすくなります。
具体的な例を挙げることで、ChatGPTはあなたが求めるものをより具体的に理解できるようになります。
「おすすめの映画が知りたい。たとえば、『インセプション』のようなミステリアスな映画が好きです」と指定することで、好みに合った提案を受けることができます。
「運動のアイデアが欲しい。『ヨガ』や『ピラティス』のような自宅でできるエクササイズが好き」と伝えると、類似のアイデアを提案してもらいやすくなります。
6. 出力の望ましい長さを指定する:回答のボリュームを調整
「出力の長さ」とは、ChatGPTがどれくらいのボリュームで応答するかを指示することです。
「短め」「中くらい」「詳しく」などと指定すると、期待する量で回答が返ってきます。
時間の制約や情報の詳細度に応じて、適切なボリュームの回答が得られます。
「詳しく説明して」と指示することで、広範な情報を含んだ詳細な回答が得られます。
「2~3行で簡潔に答えて」と指定することで、短く要点だけを捉えた応答が得られ、手早く情報を確認できます。
プロンプトフォーマットの基本ステップ
ステップ | 説明 |
---|---|
1. 目的を明確にする | 質問や依頼の目的を一文で説明します。 |
2. 必要な詳細を含める | 正確な回答のために必要な情報を詳細に記載します。 |
3. ペルソナを指定する | どのようなキャラクターや口調で回答するかを指定します。 |
4. タスクの手順を明記する | タスクを完了するために必要な手順や流れを説明します。 |
5. 具体例を提供する | 参考になる具体的な例を示します。 |
6. 出力の望ましい形式を指定する | 回答の長さや形式についての希望を明確にします。 |
プロンプトフォーマット活用事例 ::
“テンプレート” (コピーして活用)
プロンプトフォーマットを活用したプロンプト例。
コピーして、用途に合うように書き換えてご使用ください。
. 旅行プランの提案依頼
プロンプトの目的
「2泊3日の北海道旅行プランを提案してほしい」
必要な詳細
「旅行日は8月14日からで、札幌と富良野を訪れたいです。観光スポットと美味しい食べ物を楽しむ予定です。」
ペルソナ
「地元のガイドのように、詳しい情報を提供してください。」
手順
「1日ごとの行程を、観光スポットと食事場所を含めて提案してください。」
具体例
「富良野のラベンダー畑や札幌の時計台を含むプランにしてください。」
出力の長さ
「2泊3日のスケジュールを1日ごとに詳しく説明してください。」
. ビジネスプレゼンテーションの構成提案
プロンプトの目的
「新しいサービスのビジネスプレゼンの構成を提案してほしい」
必要な詳細
「サービス内容は、AIを使った業務効率化ツールです。プレゼンの対象は、企業の管理職で、導入によるコスト削減を重視しています。」
ペルソナ
「ビジネスコンサルタントのように、実用的かつ説得力のある内容にしてください。」
手順
「最初にサービスの概要、次に導入のメリット、最後に成功事例やコスト削減のシミュレーションを順番に説明してください。」
具体例
「以前のプレゼン『クラウドサービス導入のメリット』を参考に、同じような構成でお願いします。」
出力の長さ
「プレゼン全体で10〜15分で話せる内容にしてください。」
. ブログ読者に向けたQ&Aセクション作成依頼
プロンプトの目的
「ブログに読者向けのQ&Aセクションを作成してほしい」
必要な詳細
「テーマは『生成AIで作るスタンプ』で、読者は副業を考えている初心者が多いです。」
ペルソナ
「生成AIに詳しい人として、初心者向けにやさしく説明してください。」
手順
「よくある質問を5つ考え、それぞれにシンプルな回答をつけてください。」
具体例
「『AIで作るスタンプはどんなソフトを使えばいいですか?』という質問を含めてください。」
出力の長さ
「各Q&Aは100文字以内で、簡潔にお願いします。」
. AI活用事例の提案依頼(役所向け)
プロンプトの目的
「役所での事務作業にChatGPTを活用する事例を提案してほしい」
必要な詳細
「対象はホワイトカラーの事務職です。業務効率化の具体的な活用方法を教えてください。」
ペルソナ
「業務効率化の専門家として、役所の職員が使いやすいシンプルな提案をしてください。」
手順
「書類作成、データ管理、FAQ対応の3つの分野での活用事例を考えてください。」
具体例
「マニュアル作成や定型文の自動生成についても含めてください。」
出力の長さ
「各事例について2〜3文で簡潔に説明してください。」
. イベント企画案の提案依頼
プロンプトの目的
「新しいイベントの企画案を提案してほしい」
必要な詳細
- イベントのテーマ:「地域交流フェスティバル」
- 目的:地域住民同士の交流を深める
- 参加者:家族連れや地域の中高年層が主な対象
- 場所:公園や広場
- 期間:1日
ペルソナ
「イベントプランナーのように、参加者が楽しめる内容を考えてください。」
手順
「最初に、イベントの全体的なスケジュール、次に企画内容(ステージイベントやワークショップ、食べ物の屋台など)を提案してください。」
具体例
「過去に実施された『地域夏祭り』と似たような構成で、ファミリー層が楽しめるアクティビティを多めに組み込んでください。」
出力の長さ
「イベント全体の流れを5〜7行程度で提案してください。」
. イベント企画案のテンプレート使用例
1. プロンプトの目的
「秋に行うハロウィーンイベントの企画案を考えてほしい」
2. 必要な詳細
- イベントのテーマ:「子ども向けのハロウィーンパーティー」
- 目的:子どもたちが楽しく参加できる仮装イベントやゲームを提供する
- 参加者:小学生以下の子どもとその家族
- 場所:コミュニティセンターのホール
- 期間:半日(午後1時から午後5時まで)
3. ペルソナ
「子ども向けイベントのプランナーとして、楽しさと安全性を重視した企画を考えてください。」
4. 手順
「最初に、仮装コンテスト、次にハロウィーンゲーム(例えばお菓子探しや簡単な工作)を提案し、最後に親子で楽しめる交流時間を考えてください。」
5. 具体例
「昨年のクリスマスイベントのように、子どもが主体で参加できる内容にしてください。」
6. 出力の長さ
「各アクティビティの説明を2〜3文でお願いします。」
. 企業向けリーダーシップセミナーの企画案
1. プロンプトの目的
「企業向けリーダーシップセミナーの企画案を提案してほしい」
2. 必要な詳細
- イベントのテーマ:「リーダーシップとチームマネジメント」
- 目的:企業の管理職向けに、リーダーシップとチームビルディングのスキルを向上させる
- 参加者:中小企業の管理職
- 場所:オフィスビルの会議室またはオンライン
- 期間:半日(午後1時から午後5時まで)
3. ペルソナ
「企業研修の講師のように、実践的かつ具体的な内容でお願いします。」
4. 手順
「最初にリーダーシップ理論の講義、次にグループディスカッションやロールプレイング、最後に質疑応答とディブリーフィングを提案してください。」
5. 具体例
「以前行った『管理職向けコミュニケーション研修』と同様の流れで構成してください。」
6. 出力の長さ
「各セッションの内容と時間配分を3〜5行で説明してください。」
これらのポイントを使いこなすことで、ChatGPTから得られる回答がもっと自分のニーズに合ったものになります。
ぜひ、このプロンプトの作成方法を活用して、ChatGPTとの会話をより効果的なものにしてみてください!